「クリスマスを前に・・・その2」

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あと1ヶ月で、クリスマスイブですね。

12年前のイブの夜、私は、大きな病院の小さな病室で、
ひとりポツンとベッドの上にいました。

一人目の子を流産してしまい、
一泊だけ入院することになったためでした。

涙が止まらず、私の体のどこでこんなに涙が作られるんだろうと、
不思議に思ったほどです。

もちろんその日が、クリスマスイブだなんてことは、
もう私とは別の世界のこと・・・

・・・不意に、ノックの音がしました。顔を上げると、
あの頃、まだ珍しかった男の看護士さんが、サンタの変装をして立っていたのです。
手には、本物ではない(でも、おもちゃでもない)サックスを持って。

小さな声で、「1曲吹いてもいいですか?」と聞きます。
私は、考える余裕もなく、子どものように大きく頷いたのを覚えています。

曲は、「サンタが街にやってくる」でした。
サックスが左右に大きくスイングしていたのが、やけに目に焼きつきました。

その後のことはもう覚えていませんが、
朝まで、静かに寝ていたように思います。

あの夜の出来事は、なぜか年月を重ねるごとに、現実味が無くなっていくのです。
そして、あの看護士さんは、もしかしてサンタさん?なんて、
おかしいですが、ちょっと考えてしまったりするのです。

♪♪♪♪「クリスマスを前に・・・その1」はこちらです→「クリスマスを前に・・・

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この記事へのコメント

花猫
2004年11月25日 08:59
夢のような情景。あたたかい涙が流れました。
アメタマ
2004年11月25日 09:49
悲しい思い出がやさしい思い出に変わっていく、サンタさんのプレゼントですね。
耳すま
2004年11月25日 11:04
花猫さん、あの日私は彼に救われました。顔も名前も覚えてはいないけれど、あのときの空気、メロディーはこれからもずっと心の中にあるでしょう。
耳すま
2004年11月25日 11:10
アメタマさん、今まで、この話は、誰にもしたことがないんです。不思議にブログだと書けました。あの彼は、もしかしたら今頃サックスの練習しているかもしれませんね…
篠宮れい
2004年11月25日 11:10
昨日は私のブログにコメントありがとうございます。誰だって一つの命を失った時の空虚感は心の大きな痛みをもたらしますよね。看護士さんも素敵な演出をされたのですね。その気遣いがきっと眠りを誘ったんでしょうね。
一つの思い出に多くの想いを詰めて、だけど命を失った現実だけは忘れないであげてくださいねv
耳すま
2004年11月25日 12:09
れいさん、大切な言葉本当にありがとう。まだ母になるという実感も、共有の思い出も作れなかったあの子のことを、ただ心の中で想うことしかできない自分が歯がゆかったです。でも、クリスマスイブの夜、私の心の中で、一つずつ歳を重ねていくあの子。これからもずっと・・・心の中にいます☆

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